鍵開けにいったらまさかの原因だった珍しい現場【東松山市】

【埼玉県川越市の鍵屋】

今回は学生向けの保険の仕事で東松山市へ鍵開けに行ってきました。

事前情報メールでは身分証明書がないとのこと。

警察立会いだと待ち時間もあったりとちょっと面倒ですね。

現場へ到着するも警察は来ておらず。

今から呼びますとのことで最悪なパターンですね。

到着10分前電話とあり、事前に到着時間を伝えてるのですからその時間に呼んでもらえればスムーズなんですけどね・・・

通常の鍵開けだと思ってましたが、まさかの鍵はあるけど開かないとのこと。

鍵を挿すとこの状態でした。

鍵が奥まで刺さっていないから開かないんですね。

よくあるのは鍵穴内に異物が入っているパターンですね。

しかし、今回の鍵はMIWAロックのディスクシリンダー錠。

一昔前にピッキング被害にあいまくってすでに廃番になっている鍵です。
このシリンダーは通常のシリンダーとは違う点があり、それが原因の可能性大ですね。

鍵は鍵のギザギザと鍵穴内の部品とが一致すると鍵が回ります。
違う鍵を挿して開かないのはギザギザが一致しないからですね。

このディスクシリンダー錠もギザギザが一致すると回る仕組みは他の鍵と一緒です。

一般的なシリンダーにはテールピースと呼ばれる部品があり、その部品が鍵穴が回るときに一緒に回り、錠ケース内の部品を動かすことで開け閉めをしています。

しかし、ディスクシリンダー錠はテールピースの構造が変わっています。

黄色く塗ったあたりが鍵を挿したさいにテールピースの役割を果たすんですね。
ディスクシリンダー錠を使っており、鍵があるのに空転する場合はほとんどの場合は経年劣化でこの部分が削れてしまいテールピースの役割を果たしていないことが原因になってます。

しかし、今回は空転ではなく奥まで刺さっていないのが原因です。
このテールピースの役割を果たす箇所が奥まで刺さらないのが原因ですね。

某鍵屋がテレビに出たときに防犯方法として紹介していたこのディスクシリンダー錠に使える裏技？があります。

それはサムターンを少し斜めにするという方法です。

サムターンを斜めにすると、シリンダー側のテールピース部分も斜めになります。
鍵穴の向きは変わらないのですが、テールピースの部品だけ少し斜めになるんですね。
一般的なシリンダーはテールピースとは別部品なので少し斜めになったとしても何の問題もありません。

しかし、このディスクシリンダー錠は鍵の先端がテールピースの役割を果たすために奥まで刺さらないと使えないんですよね。
少し斜めにしたことにより、奥まで刺さらなくなり開けられなくなります。

これは鍵が刺さらなくなって合鍵を使用した侵入を防げるだけなのでピッキングには一切関係ないです。
又、サムターンを斜めにするには室内からしか不可能なので外出時には使えないなどデメリットが多いです。
鍵屋の立場からいうとやる価値はないでしょうね。

しかも今回のように何かの拍子に起きてしまうと住人が入れなくなる可能性もあります。
滅多におきることがない症状ですが、過去に２回当たったことがあります。

鍵で開かない場合は鍵穴から開けるのが難しい場合が多いです。

その場合は、サムターン解錠などその他方法にて開錠をします。

しかし、過去の経験から原因であろう可能性がわかっていたので鍵穴から対応します。

ピッキングと同じ要領で少し鍵穴をいじると、誤作動で斜めになっていたテールピースが元通りになりました。

ちょっといじっただけで鍵が奥まで刺さるようになりましたね。

そして無事に解錠！

ピッキングで開けるわけではないので、素人でもできる可能性もありますが、お勧めはしませんね。

今回の学生も『爪楊枝でも出来ますか？』と聞いてきたので
『出来なくはないと思いますけど、爪楊枝だと折れる可能性高いからクリップなどの固さがあるものが良いですよ』
とお伝えし、『中で折れたりした場合はもっとひどくなるから自己責任でお願いします。』と伝えておきました。

ディスクシリンダー錠の住宅は少なくなってきていますが、未だに使用している場合にはこの症状、又は鍵が空転して開かないトラブルが起きる可能性はあります。
特に空転して開かないトラブルは長く使えば使うほど起きる可能性は高くなりますね。

東松山市で学生向けの仕事入って向かうと未だにディスクシリンダー錠に当たることが多いですね。
学生向けのマンションで家賃を安くするために鍵交換を行ってないから未だに複数の部屋がディスクシリンダー錠なんでしょうね・・・

今回のマンションの他の部屋を見たら１部屋以外ディスクシリンダーでした(笑)